筋肉はトレーニングと同時に作られているわけではありません。
睡眠中の体を休息させる時間に作られることがわかっています。
睡眠不足は筋トレ効果を出にくくするだけでなく太りやすい体質にも関係しています。
筋トレの効果を最大限に発揮するための睡眠時間について詳しくご説明します。
眠りがカギ!筋肉は睡眠中に作られている
がんばって筋トレをしていると、筋トレ中・筋トレ直後にモリモリ筋肉が作られているイメージを持つ人も少なくありません。
しかし、筋肉が作られているのは眠りについてから1~3時間後、脳からたくさんの成長ホルモンが分泌されているタイミングです。
大人でも分泌される成長ホルモンによって全身の細胞修復や分裂が促され、タンパク質をとり込み筋肉も大きくなります。
正しい筋トレをいくらがんばっても、常に睡眠不足の状態で理想の筋肉づくりができないのはこのためです。
まずは“筋肉が作られるのは睡眠中”ということを覚えて眠る時間を見直すことが第一歩となります。
体をしっかり休めて筋肉を作るには「7時間半睡眠」が必要
2種類の睡眠を繰り返すのが眠りの基本
睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2つがあります。
簡単に説明すると、
- 「ノンレム睡眠」・・・副交感神経優位の落ち着いた状態で、脳と体を休める深い眠り
- 「レム睡眠」・・・交感神経優位の脳が活動している状態で、体だけ休んでいる浅い眠り
という違いがあります。
眠りに入ると、“深いノンレム睡眠が訪れて次にレム睡眠に移り変わり、またノンレム睡眠に移る”というセットを繰り返します。
最初の深いノンレム睡眠中に成長ホルモンがたくさん分泌されるため、スムーズな入眠と途中で起きてしまわない睡眠環境を整えることが大切です。
ノンレム睡眠中に出る成長ホルモンによって筋肉がタンパク質をとり込み大きくさせてくれますから、毎日しっかりと睡眠時間を確保する必要があるのです。
「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」は90分1セット
ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返す時間は「約90分」です(多少の個人差はあります)。
“90分(1時間半)で1セット”、睡眠時間を90分単位で考える理由はここからきています。
体の疲労を取ることはもちろん、脳の疲れを癒やしたり記憶の整理なども睡眠中です。
単に疲れをとって記憶整理をするだけなら90分×4セット=360分(6時間)でも十分。
しかし、体の疲労までしっかり取り除いて筋肉を作るためには90分×5セット=450分(7時間半)の睡眠が必要といわれています。
筋力トレーニングをした分しっかり筋肉を作るなら7時間半睡眠が理想的なのです。
睡眠不足は筋肉が作られにくく太る原因にもなり得る
眠る時間が短い人や睡眠不足の人は、食欲を増幅させる「グレリン」というホルモンを分泌されることが最近の研究で判明しています。
さらに食欲を抑えてくれるホルモン「レプチン」の分泌量が減少することもわかっています。
つまり、睡眠時間が足りていない人は自分の意思だけでなくホルモンの働きで食欲が上がってしまう危険をはらんでいるわけです。
筋トレの効果が出ないだけでなく、太りやすいルーティンに陥るのはなんとしても避けたいところ。
規則正しく7時間半の睡眠をとれば、筋肉を作ると同時に食欲をコントロールして食べ過ぎ防止にも一役買ってくれます。
「筋トレ時に7時間半睡眠が必要な理由」まとめ
さて、筋トレと睡眠の関係について詳しくご紹介してきました。
残業が多く休みが少ない人にとって睡眠時間を確保するのは難しいかもしれません。
しかし、せっかくの筋トレ効果が発揮しきれていない可能性があるなら見直す価値はあります。
筋トレの時間を確保できるなら、もう一歩踏み込んで
- 生活の中に削れる時間がないか?
- ムダな時間を使っていないか?
考え、修正できるようなら睡眠時間にあてるのがおすすめです。
睡眠時間をしっかりとることは、筋肉を作るだけでなく体を休めたり日中のパフォーマンスを上げるためにも効果的です。
“筋トレ効果を最大限に発揮したい”と考えている人はぜひ7時間半睡眠を確保できるよう調整してみてはいかがでしょうか?