筋トレをはじめて効果が出てくると「すぐに筋力が落ちてしまわないか?」ということが気になります。
でも実は“筋力を維持するだけ”なら週一回の筋トレでも問題ありません。
一度作った筋肉が維持されやすいメカニズムや注意点、方法などについて詳しくご紹介します。
筋肉を大きくする筋トレと維持する筋トレは違う
筋肉を大きくする筋トレの場合は「超回復」を意識した週2~3回のトレーニングが適しています。
対して、現状の筋肉を維持するための筋トレの場合は“週一回でじゅうぶん”と言われています。
筋トレによってある一定レベルまで作り上げた筋肉は、諸事情でトレーニングを中断しても約2週間ほどは低下が見られません。
また、2週間を超えて筋力の低下が始まった場合でも、3ヶ月で作った筋肉は3ヶ月、6ヶ月かけて作った筋肉は6ヶ月でもとに戻ります。
つまりイメージよりも筋肉は維持されやすい傾向があり、筋トレをやめた瞬間すぐになくなってしまうということはありません。
筋肉を維持する筋トレの方法と注意点
仕事や生活の変化で以前のように筋トレができなくなることはままあるものです。
その間でも週一回トレーニングを行うことができれば、筋力の低下を防いで維持することはじゅうぶん可能です。
週一回の筋トレは以前と同じ負荷と回数を守る
維持するだけならとレニーニング内容を軽くしてもいいんじゃないか、と思ってしまいますが筋トレの負荷と回数を同じレベルに保つことが非常に重要です。
筋肉を大きく成長させるためなら2~3日おきに週2~3回のペースで筋トレを行う必要があります。
週一回でも筋肉を維持するポイントは
“週2~3回筋トレをしていた時と同じ負荷と回数にする”
ことです。
目標とする筋肉を作るために行っていた筋トレと“同じ負荷と回数”を守ることで以前と同じ刺激が得られます。
筋肉への刺激を同レベルにすることが週一回のトレーニングで筋肉を維持する秘訣なのです。
必要以上に筋肉を重くするデメリット
「筋トレするなら筋肉は大きくし続けたほうがいい」という考え方もありますが、これについては個人個人が自分で判断する必要があります。
正しい方法による筋力トレーニングは健康的で体をカッコよく見せてくれます。
しかしながら、一般的なレベル以上に筋肉を大きくしようとした場合、
- 筋肉の自重による膝・腰への負担
- 筋肉維持に必要なタンパク質を代謝するための腎臓負担
など、筋肉を大きくし続けるためには想像以上に多くの負担を体にかけることとなります。
“健康的で引き締まった体を作る”
といった目的であれば筋肉を大きくし続ける必要はありません。
むしろ行き過ぎたトレーニングによって体によからぬ影響を与えることもあるのです。
筋トレを完全にやめても同じレベルには短期間で戻れる
「筋トレを完全に中断してしまった。でも再開したい」という人も多いと思います。
そんな時に知っておきたいのは“トレーニングをやめても一度つけた筋肉レベルまでは短期間で戻れる”ということ。
(※筋力トレーニングを中断することを「ディトレーニング」、再開することを「リトレーニング」と言います。)
筋トレを一定期間継続してつけた筋肉には「マッスルメモリー」という記憶装置があります。
「マッスルメモリー」の働きに深く関係する筋サテライト細胞は、
- 筋トレをすることで元々の筋繊維に融合
- 筋繊維にある細胞核が増加することで筋肥大が起こる
というメカニズムを持っていますが、一度融合した筋サテライト細胞は元の筋繊維と離れることがないと言われています。
そのため筋トレを中断してからの再開時には、デフォルトで筋サテライト細胞の力が使えるために短期間で同レベルの筋肉にまで戻すことが可能なのです。(筋トレゼロスタートでは、筋サテライト細胞を筋繊維に融合させていくところから始まります。)
しかも“マッスルメモリーは10年以上に渡って記憶が残る”と考えられています。
一時期熱心に取り組んでいた筋トレをやめてしまった場合でもそのすべてがなくなるわけではなく、再開時には比較的スムーズに結果が実感しやすくなります。
たとえ多忙や病気で筋トレが遠のいても、以前の半分の努力で維持することができますし再びトライすれば一度作り上げた筋肉水準を長期間に渡って保つこともできます。
「週一回の筋トレで筋肉が維持できるメカニズムと方法」まとめ
筋肉を維持するための筋トレの回数や方法についてご紹介してきました。
筋トレが習慣化して結果が目に見えてくると“この筋肉を落としちゃいけない”という思いに駆られます。
でも無理をして仕事や生活・睡眠などに影響しては元も子もありません。
また、自分の満足いくレベルが実感できたならそれを維持することも立派な筋トレです。
大人の男性が筋トレを長期に渡って続けるには予想以上に様々な障壁が立ちはだかります。
本当の意味で筋トレを習慣化するためにも、正しい筋肉の維持方法やメカニズムを知って自分に合ったトレーニングを目指しましょう。