筋肉は一つの大きな塊ではなく、筋繊維という細胞が集まってできています。
さらに種類も異なり、遅筋と速筋に分かれた上で混合して筋肉の働きをしています。
筋トレをする前の基礎知識として必ず知っておきたい筋肉の遅筋と速筋の違いについて詳しくご紹介します。
筋肉を構成する筋繊維は「遅筋」と「速筋」で作られている
筋肉自体は“筋繊維”というとても細い繊維細胞がわらの束のようになって形作られています。
“筋繊維”をざっくり「遅筋線維」と「速筋線維」の2つに分けられます。
「遅筋線維」は、筋収縮のスピードが遅く力も弱いものの、スタミナ面で優秀です。
一方の「速筋線維」は、筋収縮のスピードが速く瞬発力に優れていますが、反面スタミナは持ちません。
まさに正反対の特徴を持った2つの筋繊維が混合して筋肉は作られています。
こうすることで、「遅筋」と「速筋」それぞれの弱い部分を補完しあって長所を引き出すことができるというわけです。
「遅筋」も「速筋」もトレーニングで鍛えられる
一般に、人間は「遅筋」と「速筋」が約50%ずつで混合されていると言われていますが、厳密には個人差があります。
その混合率は遺伝によって決まるため、後からその混合率をトレーニングで調節することはできないと考えられていましたが、現在はじゅうぶん可能であるという考えが主流です。
- ランニング・ウォーキングといった持久力のつくトレーニングを続けていれば「遅筋」が鍛えられます。
- 各種筋トレをはじめとした瞬発力をのつくトレーニングを続けていれば「速筋」を鍛えられます。
遺伝による「遅筋」と「速筋」の混合率がデフォルトでは自分の目指すパーセンテージではなかったとしても、トレーニング次第で目的の筋肉をつけることができます。
年齢による筋肉の衰えを防止するなら「速筋」を鍛える
年齢を重ねることによる筋肉の衰えは放っておけば避けられるものではありません。
「遅筋」と「速筋」を比較すると「速筋」が衰えやすい傾向にあります。
しかし、筋トレで成長しやすいのも「速筋」なのでトレーニングによって筋肉の年齢的な衰えは取り戻しやすいといえます。
たとえ速筋の混合率が少ない人も、加齢によって筋肉が衰えてきた人も、筋トレを行うことで「速筋」を後天的につけることができます。
もちろん、ランニングなど持久力メインのトレーニングを続けることで「遅筋」を付けていくことも可能です。
「筋肉を作る遅筋と速筋の違い」まとめ
筋肉を構成する筋繊維の「遅筋」「速筋」の違いについてご紹介してきました。
それぞれまったく違う特徴を持っていますが、どちらも筋肉にとっては重要な働きを持っています。
年齢による筋肉の衰えが気になる人は「速筋」を鍛えるのがおすすめですし、持久力をつけたい人は「遅筋」を鍛えるのがベストです。
それぞれが持つ特徴は違いますが、“鍛えればついてくる”という筋肉の基本は変わりません。
「遅筋」と「速筋」の鍛え方やその働きの違いを知ることはムダなく目的のトレーニングをするために大切です。
筋肉の中に働きの違う細胞があることをイメージし、メニューを厳選してトレーニングしてみてはいかがでしょうか?