バイアグラをはじめとした「勃起改善薬」には”すぐに効果が出て勃起が続くもの”というイメージがついています。
しかし実際には直接勃起を誘発するといった効果はありません。また、ネットで購入できるバイアグラの50%以上が偽物という調査もあり、入手や使用には注意が必要です。
そんな「勃起改善薬」の正しい知識と入手方法をご紹介します。
勃起改善薬とはどんな薬?
いわゆる媚薬・精力剤などと違い、飲む事によって性的興奮を覚えたり男性器に反応を起こすといった薬ではありません。
一言でいえば「勃起が起こるプロセスを補助するための薬」が勃起改善薬です。
具体的な反応をご説明します。
男性が勃起するまでのプロセス
性的な刺激を感じると、勃起に関わる神経から一酸化窒素が分泌され、陰茎動脈から海綿体へと大量の血液が送り込まれて勃起の状態が作られます。
加えて、脳の方でも性的興奮を感じた状態にならないと勃起にはつながりません。
「性的刺激+脳の性的興奮」がセットになってはじめて勃起するメカニズムになっているわけです。
勃起を抑える酵素の働きで勃起がおこらなくなる
勃起は男性にとって必要不可欠な反応ですが、一方で勃起状態がおさまらないと日常生活に支障が出ます。
そのために勃起を抑制する酵素が存在し、こちらが優勢になると勃起しない・おさまるといった反応につながります。
「勃起改善薬」はこの抑制酵素の働きをブロックする働きを持っています。
つまり、「勃起改善薬」が陰茎を勃起させたり性的興奮をもたらすわけではなく、あくまで勃起状態を作り出すためのサポート役なのです。
代表的な勃起改善薬の種類
厚生労働省の認可がおりている勃起改善薬には以下の3種類があります。
1.「バイアグラ」
作用時間:5時間前後
効果効能:短時間のうちに強めの効果を発揮
2.「レビトラ」
作用時間:5時間前後
効果効能:短時間のうちに強めの効果を発揮
3.「シアリス」
作用時間:24~36時間前後
効果効能:長時間作用するものの効果がやや弱い
どの薬を服用するか、という判断はその人の体の状態を考慮する必要があるため医師に助言を求めましょう。
勃起改善薬の効果・効能
「勃起を抑制する酵素の働きを抑え、勃起をサポートする」というメインの効果だけでなく、正しく服用すれば健康面でもメリットがあります。
中高年の勃起不全(ED)になる大きな原因のひとつに「動脈硬化」があります。
高血圧・糖尿病・脳梗塞・心筋梗塞といった重篤な病気の引き金も「動脈硬化」です。
陰茎の血流アップはもちろんですが、それ以外に全身の血管を拡張し血流を改善する効果を持っているため、動脈硬化が原因の病気に対しても良い効果が期待できます。
また、意外にも高血圧患者の人でも一定の条件を満たせば服用できる薬でもあります。
ただし「降圧剤」を飲んでいる人は副作用が出る可能性があるため、必ず医師に相談して判断しましょう。
キケン!勃起改善薬のネット販売の50%が偽物
ここまで見てくると「正統派の安全な薬」というイメージを感じますが、意外な落とし穴があります。
最近ではインターネット上でもバイアグラをはじめとした「勃起改善薬」を簡単に購入することができます。
しかし、その裏では「偽物」が数多く出回り、”ネット上で購入できる勃起改善薬の約55%が偽物”という調査結果まであるほどです。
勃起を治そうと手に入れた偽造品の薬で健康に害を与えては元も子もありません。勃起改善薬のネット購入は控えるようにしましょう。
勃起改善薬の処方は病院で処方してもらう
いくら男性医師に診てもらうといっても「勃起不全のことを相談するのは恥ずかしい」と感じる人は後を絶ちません。
しかし、実際には勃起不全(ED)の診察は問診がメインであり、陰茎を直接見せるといったことはほとんどありません。
ネット購入で偽者をつかむ可能性がある中で、しっかり認可されている病院で処方される勃起改善薬は唯一安心して飲める薬と言えます。
同時に診察を受けることにもなるので、正しい現状把握や勃起改善の知識を得ることもできるでしょう。
思うように勃起ができないEDの症状は動脈硬化の可能性を多分に秘めており長寿・健康のためにも注意すべき症状です。
放置せず積極的に病院を受診し、正しい知識のもとで「勃起改善薬」の服用を検討しましょう。