コンドーム、ピル、避妊リングなど「避妊」の方法はたくさんあります。しかし、コンドーム以外は使ったことがないという人も多いのが実情です。
失敗のリスクや価格など、長所短所を知ることで広がる選択肢があります。望まない妊娠を避けるために絶対に知っておきたい「避妊方法」や日本の避妊実態などをまとめました。
正しい「避妊方法」の全知識
1,コンドーム:避妊率80~90%(正しく使用した場合)
薄く伸縮性のあるゴムの袋をペニスにかぶせることで、精液が膣内に入ることを防いで避妊する方法。日本で最もポピュラーな避妊方法で、1個分あたりの値段は¥100以下でコンビニやドラッグストアでも入手可能。自己流の間違った付け方をしていた場合はやぶれたりずれたりして妊娠してしまう可能性があるため、男女ともに一度正しい付け方を学んでおく必要があります。
2,低用量ピル(経口避妊薬):避妊率99.9%
女性の卵胞ホルモンと黄体ホルモンと同様の成分が入った飲み薬のこと。ピルを飲むことで“擬似妊娠”の状態を作り、排卵をさせないことで避妊させるという効果があります。また生理痛や生理不順、肌トラブルの改善などの副次的な効果があることでも知られています。処方には医師の処方箋が必要なので、産婦人科、または一部内科を受診することになります。費用は病院によって異なりますが、一ヶ月分は¥3,000前後が主流。
3,基礎体温法(オギノ式):避妊率75%
毎日かかさず基礎体温を測ることで、排卵日や妊娠しやすいタイミングを予測して危険日にセックスをしないという避妊法。膣内射精をした精子は女性の体内で数日以上にわたって生きている場合があり、さらに精神的ストレスや体調不良によっても変化が生じるため確実な避妊法とは言い切れません。他の避妊法と併用するのが一般的です。
4,避妊リング(IUD、IUS):避妊率95~98%
T字型をした子宮内避妊器具(IUD)を子宮内に装着し、精子を殺したり受精卵を着床させない効果を目的にした避妊法。古くはリング型をしていたために避妊リングと呼ばれています。自分で購入することはできず、必ず産婦人科医の専門スタッフを受診の上、装着してもらいます。低用量ピルに近いかなりの避妊率を誇り、一度の装着で数年間は効果が持つと言われています。病院での装着や除去の手間はあるものの、高い避妊効果と毎回装着しない手軽さがあります。費用は3万円前後からの病院がほとんどです。
5,ペッサリー:避妊率90%(正しく使用した場合)
子宮の入り口にペッサリーと呼ばれる避妊器具でフタを作り、精子が入ってくるのを防ぐ避妊法。射精後8時間ほどで取り出します。殺精子剤を塗った上で、女性がセックスの前に自分で取り付ける必要があり、正しい装着法やずれないことなどが担保されないと本来の効果を発揮しきれないことも。病院で子宮や膣のサイズに合わせて選んでもらうことになり、ベストなサイズが見つかるまでも少々時間がかかります。
6,殺精子剤:避妊率75%
膣の中に入った精子を殺すためのゼリーやフィルム、錠剤などをセックスの前に入れておく避妊法。膣に殺精子剤を入れてから5~10分ほどたたないと効果はあらわれず、かつ薬の挿入後1時間以内に射精されなければ意味がないため使用上の制約がやや目立ちます。単体での使用では避妊の効果が薄いため、コンドームやペッサリーと併用するのが一般的です。薬局などで¥1,000以下でも購入可能。
7,避妊手術:避妊率100%(手術成功の場合)
- 男性「パイプカット(精管結紮術)」:費用15~20万円
- 女性「卵管結紮術(らんかんけっさつじゅつ)」:費用20~40万円
男性の「パイプカット」は、睾丸と精嚢の管を切断することで物理的に精液に精子が入らないようにする手術のこと。永久的効果があるものの、一度手術すると元に戻せないのが大きなデメリット。
女性の「卵管結紮術」は、卵管を縛ることで子宮内に卵子が出てこないようにすることで避妊する手術法。術後も生理や排卵は起こるが、入院手術が必要でやや費用がかかるのでデメリット。
この他「膣外射精(生でして外に出す)」も方法の避妊方法のひとつとして考えている男性は少なくありませんが、挿入中のカウパー腺液(ガマン汁)にも精子が含まれている可能性は十分あるため積極的で確実性の高い避妊方法とは言えません。
してる?してない?男女の避妊事情アンケート調査
未婚男性の回答(18~49歳/2382人対象)
・避妊した/83%(内訳:コンドーム78%、ピル/1.0%、その他/5.9%)※複数回答
・避妊しなかった/16%
・不詳/1.1%
未婚女性の回答(18~49歳/1887人対象)
・避妊した/81.7%(内訳:コンドーム71.8%、ピル/1.4%、その他/11.4%)※複数回答
・避妊しなかった/17.1%
・不詳/1.2%
「その他」に基礎体温法(オギノ式)、成功中絶(膣外射精)が含まれます。
上記は2005年の国立社会保証・人口問題研究所の調査結果で少し古いものですが、男女問わず5人に4人以上はなにかしらの避妊をしています。
やはり圧倒的にコンドームの使用率が多数派です。飲む手間はあるもの、圧倒的な避妊率を誇るピルの低い利用率が突出して低い結果となっています。
避妊の方法はさまざまですが、どこまでいっても“完璧はない”ことは忘れたくない事実です。
女性の体・心へのダメージ、二人の精神的負担、中絶費用、家族や周囲の目など、望まない妊娠は平穏な生活に大きな影響を与えます。
なんとなくの確率論的に今まで自己流避妊で大丈夫だった人でも、妊娠する可能性はじゅうぶんあります。
現在は多数の避妊方法を選べ、より詳しく知っていることで失敗する確率を大きく下げることができます。
恋人、夫婦、少し違った関係でも「避妊」は共通のキーワード。正しい避妊方法で後悔しない性生活の土台を作りましょう。
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