ホルモンとは?
ホルモンとは、人間の体の各器官が正常に動くために情報を伝達し調整する役目を持った科学物質です。
成分の原料はアミノ酸のものとコレステロールのもの2種類に分かれます。
よく知られているのは、男性・女性ホルモン、アドレナリン、インスリンなど。
100種類以上も体内に存在しそれぞれが違う働きをしますが、どれも人間の生命活動にとって大切なものばかりです。
ホルモンが持つ情報は主に血液を通して伝わっていき、体の各器官は自分にとって必要なものだけを受け取れる仕組みを持っています。
体内で生成され体の器官が動くため必須の物質ですが、実際に分泌される量はごく少量。
例えば、体内で分泌される「男性ホルモン」の分泌量はたった7mgと言われています。
わずかな量で人間の体の根幹を支えてくれる物質というわけです。
ホルモンが分泌される場所
- 視床下部
- 脳下垂体
- 甲状腺
- 消化管
- 性腺
- すい臓
- 副腎
など、”内分泌腺”と呼ばれるところで作られています。
ホルモンとフェロモンの違い
どちらも体内で生成され、わずかな量で働けるという意味では同じものの、決定的に違うところがひとつあります。
それは「働きかける(作用する)相手が違う」ということ。
ホルモンは血液に分泌され、そのまま体内の細胞や各器官に働きかけます。
対してフェロモンは体の外に向かって放出され、主に異性の性的刺激を起こさせるなどの働きを行います。
ホルモンの働くスピード
ホルモンは自律神経同様、自分の意識によって分泌させることができない物質です。
食べ物を食べれば自分の意識とは関係なく消化活動が始まり、運動をすれば心臓の動きが早くなり汗をかきます。
そんな中ホルモンと自律神経の大きな違いは「作用するスピード」にあります。
ホルモンによる体への作用は”数分から数時間かけてゆっくり”行われます。
対して自律神経は”すぐに作用し持続力が低い”という対極の特徴を持っています。
人間の体にはどちらも必要で、ホルモンと自律神経がバランスよく作用してはじめて安定した健康が維持できるわけなのです。
ホルモン調節機能が働く仕組み
人間の意思で分泌されるものではないとご説明しましたが、指示を出す場所自体はあります。
それが脳にある「視床下部」。
体になにか異常が発見されると、視床下部が感じとって”適切なホルモンを出すよう”働きかけます。
こうして分泌されたホルモンが体の各器官に働きかけ、目的の症状を緩和し正常に戻してくれます。
また逆に、体の各器官・各組織から視床下部へも情報が送られ、ホルモンを出す指令が調節されるなどしっかりした連絡系統が作れらています。
このようにホルモンとは、人間の各器官が正常に働くよう伝達・連携する物質なのです。